★ 目覚めの一曲 #36 ★
『いよいよ最終巻最終章にたどり着きました。』
読み進めてきた阿部國治氏著「新釈古事記伝」も、間もなく読み終えます。古事記を中心とし、その趣旨で新しい著書を選び、また読書ができれば嬉しいのです(^^♪
『日本の良さの明徴(めいちょう)』
生活環境のちょっとした変化から、様々な象限の方々にお会いしたこと。もしかしたら... 世の中が大きく変化しつつあり、その変化の兆しが目の前に現れていたのかも知れません。自然と... 活躍している方々が何を思い、大切にしているかをほんの少しだけ知るに至ります。日本を大切にしたい... 今まで意識もしなかった、そんな気持ちが芽生えました。「古事記」に興味を持ったキッカケはそんなことが遠因でした。
『小さな個を変えたい...』
自らの環境を知り、その特性を良く知る。その力を用い、十分に発揮したいものですネ。今週も清々しい気持ちと共に、「今朝の目覚めの一曲」をご紹介いたします。
J.J. Johnson Quintet
Blue Bossa
U. Jazz 1993
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https://youtu.be/MKAd2sogy9w
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毎週木曜日の朝、行きつけの喫茶店で
古事記の読書と内容をまとめています。
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「古事記」にまつわるお話。
『起死回生の古事記』
~ その3 シラスとウシハクを結ぶもの ~
『子日、民可使由之、不可使知之(論語)』(民はこれに由(ゆ)らしむべし、これを知らしむべからず...) 民に制度趣旨に従わせることは可能でも、その趣旨を理解させるのは難しい。(参照:「論語に学ぶ会」高野大造氏)
前回、日本の変革期に国体の制度設計を担った井上毅の逸話をご紹介致しました。ウィキペディアによると、大日本帝国憲法第一条『大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス』は国譲り神話に登場する「シラス」と「ウシハク」の違いに着目したことに由来するそうです。井上毅と伊藤博文は共に異なる師匠に学びますが、その行間には神道と儒教の思想体系が共に存在するようです。
『子日、民可使由之、不可使知之(論語)』
「徳治政治」とは、孔子の統治論に由来する儒教の政治理念です。
『徳のある統治者がその持ち前の徳をもって人民を治めるべきである』
「シラス」の言葉には、「徳治政治」の思想と何らかの関連があるのではないかと、推測しました。そのキッカケをもたらしたのが、山鹿素行の「中朝史実」の存在を知った事でした。儒教と神道を学んだ山鹿素行が、二つの思想体系を俯瞰した、そのような思考を持つのが自然である。そのように感じたからです。古事記に「論語」の日本伝来について記載があるそうです(wiki.)。古事記の編纂を担った人物は、「当時の日本に存在する最高の知識人であった」と、そのように表現しても過言ではないと思います。
『「汝ウシハクこの国は、我が御子のシラス国ぞ」と、アマテラスが仰せである...』。
もしかしたら... 編者とされる太安万侶(おおのやすまろ)は「論語」を学び、またその影響を受けた人物だったかも知れません。
☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第29回<<
七冊の内、
七冊目を読み進めます。
新釈古事記伝・第七集「八俣遠呂智(やまたのおろち)」、
第八章 「やまたのおろち」を読みました。
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~ 神やらいと、改めて自らの使命を自覚 ~
前章では、「五百津真賢木(いほつのまさかき)」のご紹介を致しました。「珠・鏡・丹寸手(にぎて・和幣)」が懸けられ、その様子は「三種の神宝」をも現しているそうです。著者・阿部國治氏は「丹寸手(和幣)からは神剣の光を仰ぐ」と、説明します。一般に八岐大蛇伝説は人間を困惑させる大蛇の退治物語として普及しています。阿部國治氏は「三種の神宝」の一つである、神剣の由来の物語であると主張します。
須佐之男命の下向を、「高天原での乱暴狼藉や、天照大御神の天岩屋戸お籠りに対する厳罰を受け、下界に追放された」と、一般的に認知されているようです
(出雲観光協会▶ https://www.izumo-kankou.gr.jp/714)。
自らの使命と受け持ちに目覚め、高天原での修行を経ての下向。八百万神々との意見の衝突(勝佐備)や、岩屋戸のお籠りに対する責任を負う(神やらい)ものの、「心意気はとても晴れやかであった」と、阿部國治氏は力説しています。私もその考えに賛同します。葦原中国への下向の際に、前向きな姿勢でなければ、命がけでの大蛇退治などできないと考えるからです。「まいのぼり」の際に、根の国への旅立ちを伊邪那岐命と約束しています。葦原中国でやり残した「国造りの使命と受け持ちの尊さ」。その思いがとても強かったのではないかと、著者は推測します。
「流れ来た箸」
次回は... 阿部國治氏が読み解く「八俣遠呂智(やまたのおろち)」を味わいたいと存じます。
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