新釈古事記伝(阿部國治氏著・栗山要氏編)

『心境の変化』

フラストレーションを覚えることありませんか? それもある特定のシーンで必ず。その出来事の後も数時間モヤモヤっと。相当な時間を無駄にしてやるせない気持ち。実は何も感じなかったです(^^♪ 同じシーンが訪れても不快感を覚えませんでした。コツみたいなものを見つけてしまったのかも(^^v 人生の登場人物を自分の意志で選べるようになるのってこの感覚なかも知れませんネ。気を抜いていると... 元の木阿弥とかないですよね?

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第43回<<

『ブレイク・マンデー(^^♪』

※ 週の始まりを明るく向かえましょう。※

今週も清々しい気持ちと共に、

「目覚めの一曲」を

ご紹介いたします。

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先週の疲れを残したままだと、視野が狭くなりそうですネ。今週はこの曲からスタートです(^^♪

Tony Anderson

Eyes Wide Open

https://youtu.be/rHuUJqNsezg

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第36回<<

「新釈古事記伝」阿部國治氏著

七冊の内、七冊目を読み進めます。

新釈古事記伝・第七集「八俣遠呂智(やまたのおろち)」、

第八章 「やまたのおろち」を読みました。

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~ 草邦芸剣(くさなぎのつるぎ) ~

須佐之男命は、天照大御神の和御魂によって用いて頂くべく、都牟刈太刀(つむかりのたち)を献上します。「三種の神器」の一つとして、天孫降臨の折、邇邇芸命(ににぎのみこと)にお賜り遊ばします。また、「草那芸剣(くさなぎのつるぎ)」とも呼ばれます。倭建命(やまとたけるのみこと・日本武尊)が相武(さがむ)の国でこの太刀を用いて草を薙ぎ払い火災の難から逃れた故事が由来です。

編者・栗山要氏によると、阿部國治氏による原稿はここで途絶えたとあります。「政教一致」の見解をもっと触れたかったので、個人的には軽い欲求不満を覚えました。最後に阿部國治氏の人生哲学をご紹介致します:

『切散八俣遠呂智負袋爲従者率往』

(きりはなつやまたのおろち ふくろをしよいともびととなりていきき)

編者による意訳:

八俣遠呂智(権力の象徴)を遠ざけて、袋を背負い、従者となって、人生を歩いてゆこう。

著者・阿部國治氏:

東京帝国大学法学部英法科首席卒業後、疲弊にあえぐ農民救済の為決意。地下足袋を履いて全国の村々を歩く。

※ 次回はお休み致します ※

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「古事記」にまつわるお話。

毎週木曜日の朝、行きつけの喫茶店で

古事記の読書と内容をまとめています。

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読書の楽しみ その②

『大家の思考をトレース』

※ 新釈古事記伝を読み終えてしまいました。次の著書を物色中です。※

人生を変えたいと思ったら、周囲の人を変えれば良いそうです。世の中には様々な活動を楽しんでいる方々が大勢います。視野が広がる瞬間ってとても楽しいものです。

なかなか現実はその様には...

柵(しがらみ)の中で生きてるので、今すぐ全てを変えるのはムリがあるようです。SNSの普及で、私たちは気軽に何方とでも繋がる機会を手に入れてしまいました。不用意に話しかけると、時間単価の高い方の時間を奪ってしまいそうです。柵があるお蔭で彼らの時間を守っているのかも知れません。「読書」が間を埋めてくれるようです。素敵な方の思考を疑似体験するのです。昨年は「古事記」の解釈本を偶然手にしました。いきなり時空を超えてしまいました。ちょっとだけ柵が無くなったようです(^^)/~

『リマインダー』

中学生の時分、勉強のノウハウ本を読みました。

「大きな課題は小さく区切って対応すること」

まさに真実だと思います。感情の赴くままに行動しては混乱するだけです。規模を問わず、他者からの影響を受けてしまう場合は? 「海彦山彦の逸話」にその答えが隠されているようです。物事の背景を見出すことは日常生活の中でも可能なはずです。日々の些細な諍いは「与えられた課題のリマインダー」です。

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第42回<<

『ブレイク・マンデー(^^♪』

※ 週の始まりを明るく向かえましょう。※

今週も清々しい気持ちと共に、

「目覚めの一曲」を

ご紹介いたします。

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エド・シーランのオリジナルは、ボクシングジムで恋に落ちるストーリー。エンディングで... 何故か相撲取りとの対戦で敗退します(^^; そんな"落ち"に思わす微笑んでしまいます。今回ご紹介するボイスアベニューはカバー専門。エド・シーランは高音の曲が印象深い。カバーと言えど、侮れませんネ(^^)/~

Shape of You

Ed Sheeran

(Boyce Avenue cover)

https://youtu.be/Jm4B-A_e8Zc

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第35回<<

「新釈古事記伝」阿部國治氏著

七冊の内、七冊目を読み進めます。

新釈古事記伝・第七集「八俣遠呂智(やまたのおろち)」、

第八章 「やまたのおろち」を読みました。

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~ 都牟刈太刀(つむかりのたち) その2 ~

八俣遠呂智を解体することで、須佐之男命は都牟刈太刀を手に入れます。八俣遠呂智のような邪心を抱く者が持つゆえに多くの災いとなった。天照大御神の和御魂によって用いて頂くのが最善である。須佐之男命はその様に考え、都牟刈太刀を献上したと、著者が解説します。

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「古事記」にまつわるお話。

毎週木曜日の朝、行きつけの喫茶店で

古事記の読書と内容をまとめています。

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読書の楽しみ その①

『司会台に高く積み上げられた本』

※ 間もなく新釈古事記伝が読み終えてしまいます。次の著書を物色中です。※

新釈古事記伝(阿部國治氏)は都内ホテルでの勉強会で巡りあいました。メインゲストをお手伝いする形で壇上に現れた人物、書店「読書のすすめ」の清水克衛(かつよし)氏でした。一度拝顔したら二度と忘れない程印象的です。司会台に高く積み上げられた本を一冊毎に解説してました。

「絶版処分にされた本!?」と、その一言にフックされてしまいました(^^; アメブロでコラムも記載。コアな本を多く紹介しています。実は十数年前から清水氏のアメブロを存じてましたが... ネットとリアルの清水氏が頭の中で一つになるのに半日程要しました(^^;

日を改めて、清水克衛(かつよし)氏の経営する「読書のすすめ」で購入致しました。

「読書のすすめ」お買い物カート

「新釈古事記伝」はアマゾンでも購入可能ですが、お買い求めの際は是非"ドクスメ"で! (注・回し者ではございません。)

著者・阿部國治氏の師匠に当たる神道と憲法学の大家・筧克彦氏のエピソードも見つけました。

https://blogs.yahoo.co.jp/kamomeru4/35343836.html

戦後、運悪くGHQに目を付けられてしまったのですが... フィルターにかからずに無罪放免になったそうです。「道を究める」とは、正にこのことですネ(^^)/~

『非日常性』

皇居のお堀を眺めてました。同じ日本なのに別世界です。高所なので不敬に当たらなかと心配してしまいます(^^; 人には体の中にスイッチがあるそうです。非日常性を堪能すること。眠っていた何かが目覚めるかも知れませんネ。これから... 間もなく新釈古事記伝も読み終えます。次の著書を検討中です。古事記を研究する団体もあり、研究文献等をまとめた「古事記研究目録」が存在します。ただ... いきなり専門書を手にするのではなく、優しく取り組める書物を考えています。

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第41回<<

今週も清々しい気持ちと共に、

「今朝の目覚めの一曲」を

ご紹介いたします。

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かっぱえびせんのCMのようなタイトルですね(^^♪ 軽快な曲でスタートです。

Scrape The Sky

Can't Stop Won't Stop

https://youtu.be/9A2XADj8z9Y

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第34回<<

「新釈古事記伝」阿部國治氏著

七冊の内、七冊目を読み進めます。

新釈古事記伝・第七集「八俣遠呂智(やまたのおろち)」、

第八章 「やまたのおろち」を読みました。

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~ 都牟刈太刀(つむかりのたち) ~

「これはうまいものがある」

八俣遠呂智は八つの頭を八つの入口に入れ、「八鹽折の酒」を飲み干してしまいます。須佐之男命は十拳劔(とつかのつるぎ)で八俣遠呂智の命を奪います。蘇生しないように、体をバラバラに切り刻んだそうです。都牟刈太刀(つむかりのたち) が出て来たのですが... 次回に進みます。

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「古事記」にまつわるお話。

毎週木曜日の朝、行きつけの喫茶店で

古事記の読書と内容をまとめています。

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鉄の生産と洪水の密接な関係 その④

~ トラップだらけの記紀 ~

「古事記はなぜ幾つもの解釈ができてしまうのか?」

色々と調べている過程で、そのように感じました。八俣遠呂智(やまたのおろち)が大蛇で、人間を困惑させる対象であった。また、それは「たたら製鉄」による斐伊川の氾濫を象徴するのか? 『高志の八俣遠呂智』とは、はげ山を頂く高地の耕作に適さない土地。物語の舞台は水はけの悪い盆地で水害の度に田畑が使い物にならなくなった。小名木善行氏によると、このことが真相のようです。

『思考性や習性と言った根本的な事柄は他者に漏らすものではありません。』

日本書紀は漢文で記載されています。海外との交流の際に用いられた可能性も推測できます。方や大和言葉の音に近い漢字で記載されたのが古事記です。支那大陸を始め、諸外国に理解不能なように何かしら大切なことを隠す必要性があったと、個人的に心象を持ち続けていました。

『日本を担う人材を育成させる為の虎の巻』

日本書紀を始めに学び、後日古事記を学ぶ... 更に古事記は幾つもの解釈ができてしまう。そのような構成に編纂されてしまった経緯。そこには意図的にトラップを仕掛けてあったようです(小名木善行氏)。

https://youtu.be/yVdx0wh9LMg

『迷路は入口と出口で攻めよ!』

東京に出かけてきました(^^♪

急遽、大勢の経営者の方々の前で1・2分程スピーチ。当初、経営者で希望者'のみ'と勝手に思い込んでました。自己紹介と、簡単な活動内容の発表でした。お話の最中よりも寧ろ、着席してからドキドキしました(^^; 近年、少しずつ勉強していることの遠い先にある世界を語る講演会。そこでの一幕でした。

所謂、日本の多くの経営者は信用保証を付けているそうですが、物凄く精神的な負担を強いられます。事業を継承する際にネックの一つにもなってます。勉強をしている過程で散見して、多少気になっていたことでした。

その講演会では信用力が増すことで信用保証が外れる(外さないと目的が果たせない)ことで、資金が集まる等ビジネスチャンスが広がる仕組みの説明でした。意外と、銀行の支店長クラスの方でもご存知ないとのことでした(^^;

私が住んでいるつくば市近辺からその仕組みを活用した企業が幾つも輩出されたら... 憧れて移り住む人々が増えるのでは? そのように思い描くのは私だけでしょうか?

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第40回<<

今週も清々しい気持ちと共に、

「今朝の目覚めの一曲」を

ご紹介いたします。

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坂道を遊び場に... 消火栓から水を引くなんて、許可とか絶対下りないでしょうネ(^^; 面白いコンテンツを作るとお金を出す人もいるんですネ。

Radical Something

Hang Out

https://youtu.be/HHXdCIIGgXY

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第33回<<

「新釈古事記伝」阿部國治氏著

七冊の内、七冊目を読み進めます。

新釈古事記伝・第七集「八俣遠呂智(やまたのおろち)」、

第八章 「やまたのおろち」を読みました。

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~ 大蛇退治の戦略 ~

櫛名田比売(くしなだひめ)との婚姻と引き換えに八俣遠呂智退治を引き受けた須佐之男命。その戦略を思案します。櫛名田比売を湯津爪櫛(ゆつつまぐし)に変え、自らの髪のみみずらに刺します。足名椎命(あしなずち)に八鹽折の酒(やしおをりのさけ)を作るよう促します。更に垣を結い巡らせ、垣に八つの入口を設けさせます。各入口に「八鹽折の酒」を満たした樽を台の上に用意させます。

これから戦闘行為をするのですから、櫛名田比売を隔離するのが上策では? そう考える方もいらっしゃると存じます。六所神社(神奈川県中郡大磯町)のWebsiteによると、櫛名田比売は奇御魂の力を宿しているそうです。奇御魂は帰一の作用があると、阿部國治氏が解説しておりました。須佐之男命の霊力を高める効果を期待したのではないでしょうか?

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「古事記」にまつわるお話。

毎週木曜日の朝、行きつけの喫茶店で

古事記の読書と内容をまとめています。

次回は別のお店に出かけてみます(^^♪

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鉄の生産と洪水の密接な関係 その③

~ 高志は「はげ山」を意味する?~

『神としての成長の記録』

古事記や日本書紀は興味を持てば持つほど、思考の渦に巻き込まれそうです(^^; 歴史に明るい小名木善行氏によると、 大和言葉で「高」を乾いたを意味する。また、「志」を目印、若しくは目標を意味するそうです。山頂付近で禿げ上がり、ランドマークの様な高い山。オロチは愚地(おろち)・悪露地(おろち)、即ち耕作に適さない土地。『高志の八俣遠呂智』とは、はげ山を頂く高地の耕作に適さない土地の様です。物語の舞台は水はけの悪い盆地で水害の度に田畑が使い物にならなくなったようです(^^;

「須佐之男命の神としての成長過程を表現」

愚地(おろち)開墾による、「神やらい」への罰則金保証と、神剣の献上の物語であると、小名木善行氏は伝えたいようです。

http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-3202.html

http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-3010.html

ボロボロの須佐之男命に男気を感じられずにはいられません(^^♪

次回は...

「古事記はなぜ幾つもの解釈ができてしまうような表現が混在するのか?」。そのようなことを考えてみたいと存じます。

『頂点に立つ瞬間』

稀勢の里が2回目の優勝を果たしました! 先日、偶然優勝シーンに遭遇しました。滅多にテレビ観戦しません(^^; 頂点に立つ瞬間の表情は筆舌に尽くしがたい。そんな素晴らしさを持っていますネ。

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第39回<<

今週も清々しい気持ちと共に、

「今朝の目覚めの一曲」を

ご紹介いたします。

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サムハートさんはニンテンドーの熱烈なファンの様です。絶大な人気を誇るユーチューバーが彼の曲を起用。925万アクセス超を記録。その影響は絶大だった様です。

Sam Hart

Mario Kart Love Song

https://youtu.be/VDBpQVhCMb8

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第32回<<

「新釈古事記伝」阿部國治氏著

七冊の内、七冊目を読み進めます。

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第八章 「やまたのおろち」を読みました。

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~ 須佐之男命の求婚 ~

須佐之男命が足名椎命に自らの素性を明かします。また、八俣遠呂智を退治した暁には櫛名田比売(くしなだひめ)を嫁にすることを承諾させます。初対面の相手にその娘との婚姻を認めさせてしまう... 或る意味では物凄い人物だと思います。

あっ... 神様でした(^^;

種明かしをすれば、彼らは遠い血縁関係でした。「どんな先祖を共に仰いでいるのかが信頼関係を担保しているのだ」と、感じました。

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鉄の生産と洪水の密接な関係 その②

~ 古志国勢力「たたら衆」の征圧と東北のオロチ伝説 ~

前回は「斐伊川がオロチの正体?」ではないかと、探ってみました。論点がズレていることに気が付き更に深く掘り下げてみました。「古事記」や「日本書紀」には様々な論点を基に説が多く存在するそうです。決して、批判がましい態度ではなく、自らの思考の過程を順番に追う姿勢でお話を進めたいと存じます。

『一般に八岐大蛇伝説は人間を困惑させる大蛇の退治物語として普及しています。阿部國治氏は「三種の神宝」の一つである、神剣の由来の物語であると主張します。』と、以前このようにご紹介致しました。再度、このような視点に基づいて資料を当たってみました。「山間のあちこちの谷沿いで鉄を冶(い)る「野だたら」の炎を形容したものではないか」と、日立金属のウェブサイトで紹介されていました。

http://www.hitachi-metals.co.jp/tatara/nnp020602.htm

高志国出身の鍛冶職人衆の活動がとても盛んで、櫛名田比売の一族の勢力が押される程だった... 須佐之男命がその勢力争いに加担し、その過程で「三種の神宝」の一つである神剣を手に入れた。そのように推測ができるかも知れません。秋田県の「統人行事」のような神事も存在し、現在の北陸地方とされる高志国での大蛇(竜)信仰の存在を想像しました。

「統人行事」

須佐之男命が八俣遠呂智を退治する物語を体現したものとされます。

https://youtu.be/H3975rgFS78

ところが、高志国にせよ、現在の秋田県せよ、出雲より離れています。更に... 「高志は"国"を意味しない」と、主張する見解を見つけてしまったのでとてつもなく困惑してしまいました(^^;

次回に続きます。

子供の頃の疑問... 今思えばかなりオマセだったかも知れません。子供なりに大人の社会を見て色々と考えていたのでしょう... あの瞬間に感じた違和感。最近の思考の機会に"その"背景まで分かる瞬間が訪れます。もしかしたら、専門書数冊分の読書量に匹敵するやも知れません。実に楽しいものです。

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第38回<<

今週も清々しい気持ちと共に、

「今朝の目覚めの一曲」を

ご紹介いたします。

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Radical Something

Lemonade

https://youtu.be/1gl-esGxqEY

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第31回<<

「新釈古事記伝」阿部國治氏著

七冊の内、七冊目を読み進めます。

新釈古事記伝・第七集「八俣遠呂智(やまたのおろち)」、

第八章 「やまたのおろち」を読みました。

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~ 八俣遠呂智(やまたのおろち) ~

前回は櫛名田比売(くしなだひめ)と、父母(足名椎命・手名椎命)との出会いから、お話が始まりました。「高志に居る大蛇八俣遠呂智がやって来て、毎年娘を一人ずつ食うのです...」と、嘆きを須佐之男命に訴えかけたのでした。

  • 目が酸漿(ほおずき)のように真っ赤
  • 頭と尾が其々八つ
  • 体には苔が生え、檜や杉の木が繁っている
  • 長さが八つの峡谷の尾根をぐるぐる巡るほど
  • 腹が爛れて血が巡っている

更に、足名椎命が八俣遠呂智を詳しく説明するのでした...

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「古事記」にまつわるお話。

毎週木曜日の朝、行きつけの喫茶店で

古事記の読書と内容をまとめています。

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鉄の生産と洪水の密接な関係 その①

~ 斐伊川がオロチの正体? ~

『一般に八岐大蛇伝説は人間を困惑させる大蛇の退治物語として普及しています。阿部國治氏は「三種の神宝」の一つである、神剣の由来の物語であると主張します。』と、以前このようにご紹介致しました。好奇心に任せてネットサーフィンをするのはとても楽しいです。ただ... 時間を際限なく使ってしまいそうです(^^; 「鉄の生産と洪水の間に関連性は存在するのか?」。ネットサーフィン中に感じたその疑問を基に、ここでは著者・阿部國治氏の視点にできるだけ沿う形で調べてみました。

須佐之男命が降り立った出雲の鳥髪(船通山付近とされる)は「たたら製鉄」の盛んな土地だったそうです。たたらに必要な木炭生産の為に、多くの森林伐採が行われた可能性が推測されます。

『暴れ川・斐伊川(ひいかわ)を畏敬し、八俣遠呂智(やまたのおろち)と表現したとする説』

(出雲観光協会▶ https://www.izumo-kankou.gr.jp/714)。

ところが... 斐伊川が「たたら製鉄」による氾濫が顕著になった原因は江戸時代に盛んになった「鉄穴(かんな)流し法」だとされます。更に、文中に大蛇・八俣遠呂智が「高志」からやって来たと、紹介されています。大蛇が斐伊川であることが説明しずらくなってしまいます。次回は「別の説」をご紹介したいと存じます。

『行間を読む力』

文章と文章の間に潜む著者の意図を読み取ることです。出来事と出来事の間に潜む何かを推測するのも「好奇心」の成せる業なのでしょうか? 古事記の読書以外に或る科目を勉強中です。元来、苦手意識があるせいかなかなか進展しません(^^; とても恥ずかしいので、克服したことのみカミングアウトします... その科目はある道具を使います。「カタカタカタ...」。その音を耳にするだけで体中の筋肉が硬直! 自分が手にれたい可能性の途中にあるのです。何とも皮肉なものです。

「暗記⇒アウトプット」

このような単純な作業では苦痛'のみ'感じてしまいます。学んだことの背景や、それを学ぶことでどんな素敵な出来事が待ち受けているか? もしかしたら... そのようなワクワク・ドキドキ感がないと、ダメな人なのかも知れません。近日、「働く」ことへの価値観を語ったコンテンツ*に触れました。西洋社会はキリスト教的な発想*で構成され、「働くことは贖罪である」と、紹介されていました。

『日本人は人生観を働くことに反映させる...』

そのような趣旨を耳にして、「日本人として生まれて良かった」と、心の声が聞こえました。いずれにせよ、今いる所から'しか'未来は築けません。「好奇心の力」を信じたいものです。

*ある特定の宗教に対して、批判や差別を意図する内容ではないこと。そのようにコンテンツでは紹介されていました。

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第37回<<

今週も清々しい気持ちと共に、

「今朝の目覚めの一曲」を

ご紹介いたします。

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We Came to Party

Con Bro Chill

https://youtu.be/8qmmC5g-1xQ

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「ヒロイン・櫛名田比売」

櫛名田比売(くしなだひめ)は茨城県にも所縁のある神様でした。笠間市の稲田神社に御祭神として祀られています。なお、境内に夫・須佐之男命と父母・足名椎命・手名椎命、そして祖父・大山津見神を祀る神社が鎮座しています。稲田神社の離れには、櫛名田比売が降臨した場所があるそうですが...

参照: 神社と御朱印

https://jinja.tokyolovers.jp/ibaraki/kasama/inadajinja

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第30回<<

七冊の内、

七冊目を読み進めます。

新釈古事記伝・第七集「八俣遠呂智(やまたのおろち)」、

第八章 「やまたのおろち」を読みました。

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「流れ来た箸」

━━━※

この節では須佐之男命と親子の自己紹介でひとくくりになっています。あまりにも単調なので、深堀しながらお話をしたいと存じます。

※━━━

現し国に降臨した須佐之男命が肥の河(ひのかわ、現在の斐伊川(ひいかわ))のほとりを歩いていました。そこから物語が始まります。拵(こしら)えたばかりの新しい箸が幾つも流れて来たことから、櫛名田比売(くしなだひめ)とその父母に出会います。親子が泣いている様子に痛く心を痛めた須佐之男命が話しかけました。

櫛名田比売(くしなだひめ)の父母を其々、足名椎命・手名椎命(あしなずちのみこと、てなずちのみこと)。その夫婦の名前には様々な意味があるそうです。その一つに「親が子を慈しむ様子*」とする説(wiki.)があり、個人的にも気に入っています。とても、物語に深みを与えていることでしょう。

さらに、大山津見神(おおやまつみのかみ)が櫛名田比売の祖父に当たります。「つ」は「の」、「み」は神霊を意味します(wiki.)。「大いなる山の神」と言ったところでしょうか? 大山津見神は伊邪那岐と伊邪那美との間に生まれた神様。櫛名田比売と須佐之男命は遠い親戚関係でした。阿部國治氏の記述には、「由緒ある家柄ですね... 泣いている理由を聞かせて下さい。」と、ありました。一族が困っているので、是非力になりたいと思ったのかも知れません。

*「ナヅ」は「撫づ(撫でる)」。「チ」は精霊の意。

『いよいよ最終巻最終章にたどり着きました。』

読み進めてきた阿部國治氏著「新釈古事記伝」も、間もなく読み終えます。古事記を中心とし、その趣旨で新しい著書を選び、また読書ができれば嬉しいのです(^^♪

『日本の良さの明徴(めいちょう)』

生活環境のちょっとした変化から、様々な象限の方々にお会いしたこと。もしかしたら... 世の中が大きく変化しつつあり、その変化の兆しが目の前に現れていたのかも知れません。自然と... 活躍している方々が何を思い、大切にしているかをほんの少しだけ知るに至ります。日本を大切にしたい... 今まで意識もしなかった、そんな気持ちが芽生えました。「古事記」に興味を持ったキッカケはそんなことが遠因でした。

『小さな個を変えたい...』

自らの環境を知り、その特性を良く知る。その力を用い、十分に発揮したいものですネ。今週も清々しい気持ちと共に、「今朝の目覚めの一曲」をご紹介いたします。

J.J. Johnson Quintet

Blue Bossa

U. Jazz 1993

https://youtu.be/MKAd2sogy9w

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毎週木曜日の朝、行きつけの喫茶店で

古事記の読書と内容をまとめています。

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「古事記」にまつわるお話。

『起死回生の古事記』

~ その3 シラスとウシハクを結ぶもの ~

『子日、民可使由之、不可使知之(論語)』(民はこれに由(ゆ)らしむべし、これを知らしむべからず...) 民に制度趣旨に従わせることは可能でも、その趣旨を理解させるのは難しい。(参照:「論語に学ぶ会」高野大造氏)

前回、日本の変革期に国体の制度設計を担った井上毅の逸話をご紹介致しました。ウィキペディアによると、大日本帝国憲法第一条『大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス』は国譲り神話に登場する「シラス」と「ウシハク」の違いに着目したことに由来するそうです。井上毅と伊藤博文は共に異なる師匠に学びますが、その行間には神道と儒教の思想体系が共に存在するようです。

『子日、民可使由之、不可使知之(論語)』

「徳治政治」とは、孔子の統治論に由来する儒教の政治理念です。

『徳のある統治者がその持ち前の徳をもって人民を治めるべきである』

「シラス」の言葉には、「徳治政治」の思想と何らかの関連があるのではないかと、推測しました。そのキッカケをもたらしたのが、山鹿素行の「中朝史実」の存在を知った事でした。儒教と神道を学んだ山鹿素行が、二つの思想体系を俯瞰した、そのような思考を持つのが自然である。そのように感じたからです。古事記に「論語」の日本伝来について記載があるそうです(wiki.)。古事記の編纂を担った人物は、「当時の日本に存在する最高の知識人であった」と、そのように表現しても過言ではないと思います。

『「汝ウシハクこの国は、我が御子のシラス国ぞ」と、アマテラスが仰せである...』。

もしかしたら... 編者とされる太安万侶(おおのやすまろ)は「論語」を学び、またその影響を受けた人物だったかも知れません。

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第29回<<

七冊の内、

七冊目を読み進めます。

新釈古事記伝・第七集「八俣遠呂智(やまたのおろち)」、

第八章 「やまたのおろち」を読みました。

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~ 神やらいと、改めて自らの使命を自覚 ~

前章では、「五百津真賢木(いほつのまさかき)」のご紹介を致しました。「珠・鏡・丹寸手(にぎて・和幣)」が懸けられ、その様子は「三種の神宝」をも現しているそうです。著者・阿部國治氏は「丹寸手(和幣)からは神剣の光を仰ぐ」と、説明します。一般に八岐大蛇伝説は人間を困惑させる大蛇の退治物語として普及しています。阿部國治氏は「三種の神宝」の一つである、神剣の由来の物語であると主張します。

須佐之男命の下向を、「高天原での乱暴狼藉や、天照大御神の天岩屋戸お籠りに対する厳罰を受け、下界に追放された」と、一般的に認知されているようです

(出雲観光協会▶ https://www.izumo-kankou.gr.jp/714)。

自らの使命と受け持ちに目覚め、高天原での修行を経ての下向。八百万神々との意見の衝突(勝佐備)や、岩屋戸のお籠りに対する責任を負う(神やらい)ものの、「心意気はとても晴れやかであった」と、阿部國治氏は力説しています。私もその考えに賛同します。葦原中国への下向の際に、前向きな姿勢でなければ、命がけでの大蛇退治などできないと考えるからです。「まいのぼり」の際に、根の国への旅立ちを伊邪那岐命と約束しています。葦原中国でやり残した「国造りの使命と受け持ちの尊さ」。その思いがとても強かったのではないかと、著者は推測します。

「流れ来た箸」

次回は... 阿部國治氏が読み解く「八俣遠呂智(やまたのおろち)」を味わいたいと存じます。

世界に広がるお稲荷さん!?

※ 重低音なのでご注意下さいネ ※

今週の「今朝の目覚めの一曲」をご紹介致します。

お稲荷さんは元々農業神で、狐はその使い(同一視することもある)。ネズミを捕食するので、古来より神聖視されていたようです。江戸時代に商売の神様として、一般受けして爆発的に広がったようです。さて、現代のお稲荷さんも世界で活躍中です。元気で今週も頑張りましょう!

Babymetal

Catch me if you can

https://youtu.be/xBHUFtwsjzQ

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毎週木曜日の朝、行きつけの喫茶店で

古事記の読書と内容をまとめています。

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「古事記」にまつわるお話。

『起死回生の古事記』

~ その2 明治維新までに至る山鹿流奇跡の系譜 ~

幕末から明治維新に活躍した高杉晋作や伊藤博文など多くの人物が、吉田松陰に学びます。吉田松陰は先祖代々山鹿流師範の家柄でした。山鹿流とは山鹿素行に起源をもつ兵学の流派。西暦1600年の関ヶ原の戦いより22年後、山鹿素行は元和八年に生まれます。その68年の人生に於いて様々な学問体系を経験します。林羅山より朱子学。小幡景憲・北条氏長より軍学。廣田坦斎から神道を学びます。武田信玄の死後も甲斐武田氏に伝わる「甲陽軍鑑」が人気を博します。小幡影憲(おばたかげのり)は現存する最古の写本の編者とされ、北条氏長を教えます。兵学書のみならず、山鹿素行は尊王思想に基づいた歴史書「中朝事実」を著します。

山鹿流師範吉田松陰に学んだ維新の立役者達は「国の礎」を築きます。大日本帝国憲法は約10年もの歳月を経てこの世に現れます。大日本帝国憲法第一条に『大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス(wiki.)』と、記載されています。井上毅*(いのうえこわし)は草案に「之ヲ"治(しら)ス"所ナリ」とし、後に伊藤博文が「之ヲ統治ス」と改めたようです。

『「汝ウシハクこの国は、我が御子のシラス国ぞ」と、アマテラスが仰せである...』。

国譲り神話に登場する有名な台詞ですが、「徳知政治」を思わせる語彙が用いられています。...それでは次回をお楽しみに。

※井上毅は儒学者・木下 犀潭(きのしたさいたん)に学ぶ。

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第28回<<

七冊の内、

七冊目を読み進めます。

新釈古事記伝・第七集「八俣遠呂智(やまたのおろち)」、

第七章 「いほつのまさかき」を読みました。

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「五百津真賢木(いほつのまさかき)」その4

~ 大宇宙の三層構造 ~

  • 高天原(たかまのはら)
  • 現し国(うつしくに。葦原中国(あしはらのなかつくに)、海原(うなばら)。)
  • 根の国(夜見国(よみのくに)、黄泉国、底の国)

「我々日本人の祖先は大宇宙を天地(あめつち)と表現し、高天原、現し国、根の国の三つに分けて考えた」と、著者・阿部國治氏が紹介します。五百津真賢木の価値観をより深く理解できると、著者が判断したのではないでしょうか。

「高天原」とは? 宇宙生成の根本的原理が見えるところ。大宇宙(天地)を一つの組織体と捉え、これを組織し統一する力(ひかり)の在り場所。また、「ひかり」を日本人の祖先は"神"と考えたそうです。

「根の国」とは? 何物も見えぬ無秩序な存在物のあるところ。組織力である「ひかり」は生成力も兼ね備えており、「ひかり」によって作られた"材料"の存在する場所を「根の国」と称したそうです。

「現し国」とは? 高天原に於いて確立された理想を「根の国」の材料の上に実現し、永久に止まる事なく生成発展するところ。

大宇宙生成の根源力(いのち)と、組織され生成される材料の存在。組織力と材料が構成されることでできる現実。その現実の世界を私たちたちの祖先は「現し国」と称したのだそうです。

『高天原は本来、「たかあまはら」と称し、「たかまのはら」は訛った表現である』と、林英臣氏が力説します。

https://youtu.be/J7ryKJbVbjo

林英臣氏による「古事記の宇宙観」もまた、興味深い内容になっていますネ。

清々しくスタートしましょう(^^♪

今週は「今朝の目覚めの一曲」からご紹介致します。

Earth, Wind & Fire

Boogie Wonderland

https://youtu.be/god7hAPv8f0

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「古事記」にまつわるお話。

『起死回生の古事記』

~ 彦島租借阻止の逸話-伊藤博文による述懐 ~

幕末、長州藩と英仏蘭米の列強四国間に馬関戦争(1864年)が勃発しました。

~ 賠償金額は同意するが、幕府の命令での戦故、支払責任は幕府にある。~

戦闘行為そのものでは惨憺たる結果でしたが、講和に至るまでが注目に値します。当時、投獄中だった高杉晋作が急遽、交渉役として登用されます。通訳を伊藤俊輔(後の伊藤博文)が担当します。賠償請求他多くの要求を呑みますが、彦島の租借要求を見事跳ね除けます。

伊藤博文の述懐によると、高杉晋作は古事記を基に滔々と捲し立てたらしいのです:

『「汝ウシハクこの国は、我が御子のシラス国ぞ」と、アマテラスが仰せである...』

国譲り神話を用いたか否か? どのように通訳・俊輔が翻訳したか? その確証は得られませんが(^^; ただ、「神託を受けて統治する国土を他国に分け与えることはできない」と、その正当性がしっかりと伝わったのだと推測されます。

歴史評論家・倉山満氏による逸話紹介がとてつもなく痛快です!

https://youtu.be/jFw1TjCppU8

ご存知のように、高杉晋作と伊藤博文は共に山鹿流師範・吉田松陰の門下生です。

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第27回<<

七冊の内、

七冊目を読み進めます。

新釈古事記伝・第七集「八俣遠呂智(やまたのおろち)」、

第七章 「いほつのまさかき」を読みました。

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「五百津真賢木(いほつのまさかき)」その3

~ 一霊四魂と明治維新の原理 ~

◆ 五百津真賢木と魂 ◆

「五百津真賢木(いほつのまさかき)」には「珠・鏡・丹寸手(にぎて・和幣)」が懸けられています。その様子を著者・阿部國治氏は高天原の理想と日本国体の根本原理を表現すると説明しました。今回は「一霊四魂」の概念を用いて説明します:

  • 五百津真賢木そのものを和御珠
  • 御鏡を純粋な形で現れた和御珠
  • 神珠を奇御珠
  • 丹寸手を幸御珠

荒御珠(あらみまた)の活動を二つの面に分けた名称を奇御珠(くしみたま)・幸御珠(さきみたま)と表現します。

  • 奇御珠:統一的・帰一的・保守的・主体的
  • 幸御珠:発展的・分化的・前進的・客体的

「奇・くし」は物を統一する作用を表す言葉。「幸・さき」は物を分裂、前進させる作用を表す言葉。荒御珠の実態は和御珠(にぎみたま)であると、著者・阿部國治氏は説明します。

◆ 五百津真賢木と維新 ◆

~ 維新は国体明徴である ~

「五百津真賢木」に珠・鏡・丹寸手が懸けられた様子から、阿部國治氏は日本に於ける「維新の原理」を説明します。

  1. 現状の打開
  2. 根本に帰る
  3. 根本から出る力によって新しい状態ができる

維新とは、根本の「いのち」の力が強くなって、現在の行き詰まった状態が改まるのだそうです。行き詰まった状態を打破するのではなく、革新や革命でもなく、「いのち」を改めることでもないようです。即ち、国体明徴(こくたいめいちょう)及び、建国原理を明らかにすることが「維新の原理」に含まれているのだそうです。 維新が行われる必須条件が明示される存在が、三者奉掲の「五百津真賢木」だと解説します。

わが国は 神のすゑなり 神まつる

あまてらす 神の御光 ありてこそ

わが日のもとは くもりざりけれ

明治天皇 御製

今週は「御製」の紹介から始まり、とても厳かな気持ちです。

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※次回は気分転換の為、

別の店舗及び時間帯を考えております。※

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「古事記」にまつわるお話。

「自らの居場所の素晴らしさを語りたい」

原理原則に立ち返って新しい試みをすべきではないか? 日々世の中の変化の中に私たちの生活が存在します。世の中の劇的な変化から、「個(私自身)」を変える必要性を感じています。世の中を見て、自らを変える。古代日本の変革期に記された歴史書を省みる。そのような個人的な主観を基に、「古事記」を読んでいるのかも知れません。

自分の存在する環境の素晴らしさに付いて語ること。その由来や逸話に多く触れる機会を持つ。「その中に躍進の手がかりがあるのでは?」と、考えております。確かに、些か抽象的なお話です。

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第26回<<

七冊の内、

七冊目を読み進めます。

新釈古事記伝・第七集「八俣遠呂智(やまたのおろち)」、

第七章 「いほつのまさかき」を読みました。

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「五百津真賢木(いほつのまさかき)」その2

~ 日本国体の根本原理と三種の神宝 ~

◆ 三者奉掲の五百津真賢木 ◆

「五百津真賢木(いほつのまさかき)」には「珠・鏡・丹寸手(にぎて・和幣)」が懸けられています。その様子を著者・阿部國治氏は高天原の理想と日本国体の根本原理を表現すると説明します。また、五百津真賢木に三者奉掲の表現を用いています。

「珠・鏡・丹寸手(にぎて・和幣)」が懸けられた様は「高天原・現し国・黄泉の国」、それら「三界の円満具足な調和」を表現するのだそうです。「精神生活と経済生活は中庸(ちゅうよう)を取り、一致協調が求められる」と、阿部國治氏は主張します。

◆ 三種の神宝 ◆

「珠・鏡・丹寸手(にぎて・和幣)」が懸けられた様は「三種の神宝」をも現しています。天孫である天津日子番能邇邇芸命(あまつひこほのににぎのみこと)のご降臨の際、天照大御神より賜られたのが「三種の神宝(神器)」です。

①上の枝に懸けられた、「八尺勾玉之五百津之美須麻流之珠(やさかのまがたまのいほつのみすまるのたま)」は「ひのみこ」を象徴し、その光りを拝されます。

②中の枝の八咫鏡(やたのかがみ)からは、「ひのかみ」である天照大御神の光を拝されます。

③下の枝の丹寸手(和幣)からは神剣の光を仰ぐことができるのだそうです。

日本書紀の記述には、丹寸手(にぎて)の代わりに「剣」が掲げられているそうです。その由来は八俣遠呂智(やまたのおろち)伝説*にあると著者が説明します。

※ その逸話については後日「やまたのおろち」の章にて、お話する機会を持ちたいと存じます。※

「三種の神宝」は日本国体の根本原理を表す神宝であり、国宝でもあります。これを三者奉掲の五百津真賢木に拝することができると、著者・阿部國治氏が力説します。

さて、今朝の目覚めの一曲は...

Love Ballad

L.T.D.

https://youtu.be/eZDqAjQGuDE

「掩八紘而爲宇」

数日後に「紀元節」を迎えます。明治六年(1873年)、時の政府により初代神武天皇ご即位の日を記念、太陽暦に換算して祝日とされました。今週は「今朝の目覚めの一曲」からご紹介致します。明治二十一年(1888年)時の文部省により、祝日大祭日唱歌に選定されます。

「紀元節」

ダークダックス

https://youtu.be/e0sn6XPKrwM

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「古事記」にまつわるお話。

「学ぶことの楽しさ」#3

日本国建国の理念、「掩八紘而爲宇」(あめのしたをおおひていえとなす)。金沢市に日本で唯一、香辛料を祭る神社があるそうです。波自加彌神社(はじかみじんじゃ)。はじかみ(薑)とは、歯で噛(か)んで辛いもの。即ち、生姜・山椒・山葵(わさび)・芥子(からし)などの古称。この度、初めて知りました。その神主さんが解説する日本建国理念です:

「神武天皇即位建都の大詔(おおみことのり)」

http://ameblo.jp/hajikamijinja/entry-11160854230.html

☆★☆━━━━━━━━━━━━━━第25回<<

七冊の内、

七冊目を読み進めます。

新釈古事記伝・第七集「八俣遠呂智(やまたのおろち)」、

第七章 「いほつのまさかき」を読みました。

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「五百津真賢木(いほつのまさかき)」その1

~ 高天原の在り方・神国三大要素の帰一融合 ~

ひのくに全体の正しい姿や型の象徴として、「五百津真賢木(いほつのまさかき)」を作ることを思兼神が提案しました。占合(うらへ)により、その行事が執り行われることが決まります。この章では「五百津真賢木」を具体的に解説しています。

※ 高天原の在り方のみならず、日本国の在り方から大宇宙の構造までと、広範囲に渡り記載されています。何度かに分けてお話を進めたいと考えます。※

「五百津真賢木(いほつのまさかき)」とは古事記の原典に記載されている表現。また、日本書紀に「真坂木」とあり、「たくさんの枝が生い茂っている"さかき"という樹木」を意味するそうです。神の国の三大要素が「ひのかみ」、「ひのみこ」、「やおよろずのかみ」とされます。五百津真賢木を持って、それら三大要素が「帰一融合(きいつゆうごう)」する様を表現するのだそうです。

  • 中の枝に天照大御神を表現する「鏡」
  • 上の枝にひのみこを表現する、「八尺勾玉之五百津之美須麻流之珠(やさかのまがたまのいほつのみすまるのたま)」
  • 下の枝に八百万神々の仕事を現す、白和幣(しらにぎて)と青和幣(あおにぎて)が懸けられます。

五百津真賢木に「珠」「鏡」「和幣(にぎて)」を掲げた様は「高天原の理想」を表現し、また、日本の根本組織を示すのだそうです。